2013年03月13日

iPSから腎臓の一部 京大、世界初

さまざまな組織や臓器の細胞になる能力があるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、腎臓の組織の一部を作ることに京都大のチームが世界で初めて成功し、イギリスの一流科学誌Nature Communications(ネイチャーコミュニケーションズ)電子版に発表しました。

 腎臓は多くの組織からなる複雑な構造を持ち、いったん損傷すると修復が難しく人工透析を受ける人も多いです。今回作製に成功したのは、体液中の老廃物をこし取り尿を作る腎臓のうち、管状の「尿細管」と言われるパーツです。

腎臓の組織の大半は、中間中胚葉という細胞集団がもとになって形作られるため、チームはまず複数の物質をiPS細胞に加えて培養し、11日後90%以上の高い割合で中間中胚葉を作り出しました。さらにこの中間中胚葉を、マウスの胎児の腎臓細胞と一緒に培養し、腎尿細管の管状構造の一部を作製することに成功しました。

 管状構造からはLTLという腎尿細管に特有のタンパク質が出ていることなどから腎尿細管を作ったと確認しています。

今回の成果は腎不全や糖尿病による腎症の患者らに腎臓の細胞や各組織を移植する再生医療につながると期待されます。

 研究者らは「作製した尿細管がしっかり機能するかを調べ、腎臓のほかの組織も作って、患者に応用できるようにしたい」と話しています。

原文はこちら↓です
http://www.nature.com/ncomms/journal/v4/n1/full/ncomms2378.html

医療系の人気ブログはこちらや、にほんブログ村医学人気ブログ から読むことができますよ!




メディカル通信: 知らなきゃ損する最新医学・病気・健康の話  第40話掲載記事を編集
医学の専門学校:初めての方のための最新医学・健康・病気の話 トップページへ
posted by Doctor HS at 16:40| Comment(0) | 最新研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月08日

全世界で1.7億年分、がんで失われた健康的生活

ここ数年前になって、単なる寿命ではなく健康的な生活を送れる「健康寿命」という考え方が注目されています。こうした中、2008年の1年間でがんによって健康的な生活が失われた期間は世界で約1.7億年にも上ることが、国際がん研究機構(IARC)の研究で明らかになり、イギリスの超一流医学誌「Lancet」に発表されました

 今回の研究では、死に至るがんだけでなく、乳がんによる乳房切除や子宮頸がんによって妊娠できなくなるなど、体に障害を残すがんを考慮するために、「障害によって失われた生存年数(DALY)」で評価しているのが特徴です。

 世界12地域、184カ国のがん登録データに基づいて世界全体の負担を推定したところ、がんにより2008年には1億6,930万年の健康的生活が失われていました。国ごとに見ると全般的なDALYは同じ程度だったが、低所得国では早死率が高く、高所得国では障害率が高いという傾向にありました。

 がんによる負担が特に重い地区はアジアとヨーロッパで、がんによって多くの健康的な生活が損なわれていました。ほとんどの地域で、大腸がん(直腸がん)、肺がん、乳がん、前立腺がんがDALYに大きく影響しており、全てのがんによる負担の18〜50%を占めていたそうです。

 注目すべきは、高度な医療を受ける機会が高いことは肺がん、胃がん、肝臓がん、膵臓(すいぞう)がんなど病状の見通しが良くないがんの生存率向上にさほど貢献していないことが明らかになったことです。これは世界のがん負担を軽減するには一次予防(生活習慣や食生活の改善など)が極めて重要であることが浮き彫りとなった格好です。

論文はこちらです(購読していないと全文は見れません)
医療系の人気ブログはこちらや、にほんブログ村医学人気ブログ から読むことができますよ!




メディカル通信: 知らなきゃ損する最新医学・病気・健康の話  第40話掲載記事を編集
医学の専門学校:初めての方のための最新医学・健康・病気の話 トップページへ
posted by Doctor HS at 22:01| Comment(0) | 医療ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。